\\あなたの街でもママのがん検診応援プロジェクトを開催しませんか//  地域のママを地域の企業様が守る!!賛同企業様募集中

顧問の土井卓子先生のお話しを伺いました。

当協会顧問であり乳腺専門医の土井卓子先生に色々とお話しを伺ってまいりました。
主な話題は当協会が現在推奨している産婦人科での乳がん検診の推奨について率直にどう思われるかをお尋ねいたしました。(写真左から:ママのがん検診応援者の中村さん、土井先生、代表理事武次)

土井先生の見解

産婦人科での乳がん検診について土井先生はどう思われますか?と質問をしてみたところ、土井先生は「おおいに賛成です」とはっきりとご回答くださいました。

その理由として「検診ができる場所が増えることは、気軽に行けるようになることだから反対する理由がない」と。この回答に、土井先生の患者ファーストの医師としての在り方に、改めて感銘を受けました。

課題は検査の精度管理

続いて土井先生はこうもおっしゃいました。「ただし、検査の精度は大切。産婦人科で乳がん検診ができるようになることには賛成だけど、やるからには検査の精度をしっかりと保たなければ危険。精度の管理をどうするのかをしっかりと詰めていく必要がありますね」とのこと。

一般の人の多くは、乳がん検診はどこで受けても同じだと思っています。いや、本来はそうでなければいけないのだと思いますが、実際は検査する人の技術、経験からくる知識などにより、少なからず検査の精度に差が生じてしまうことはあり得るのだと思います。

子どもがいても診療や検診が受けやすい環境を作っていくと同時に、どこで受けても検査の精度が変わらないような状態で検査できる場所が増えないと意味がありません。検査に行って、実は明らかな異常があったにもかかわらず「異常なし」と言われてしまうことが起きないように、産婦人科での乳がん検診推進と検査精度の担保は、同時進行で考えていかなければいけない。それには国や乳腺の専門医の先生たちとの連携が必須だと、改めて思いました。

産婦人科の先生は胎児を見るときに超音波機器を使用するので、超音波機器は使い慣れていますが、胎児を見るのと乳腺の中からがんを見つけるのとでは全く分野が違うため、そこはものすごく勉強をしていく必要があると当協会も考えているため、署名活動の国への提言には、超音波検査研修の実施強化を掲げています。

産後ケアの一環に乳がん検診を!

産後5年以内の乳がんは他と比較して1.5倍から3倍も転移率・死亡率が高いとうエビデンスがたくさん出ています。産後5年の時期はどのような生活なのかを考えてみると、子どもに一番手がかかるときで、正直自分の身体に鞭打って生活しているときだと思います。少しでも時間があれば寝たい、身体を休めたい、そんな時期です。

「検診は大事!検診を受けましょう」と正論を叫んでも「そんなことはわかっているけど、気力がない・時間がない」そんな状態のママたちを守るためにはどうしたらいいのかを考え、当協会では、産後ケアを現状の1年ではなく5年に延長し、産後ケアの一環として乳がん検診などができるようにすることが、産後のママたちの命を守ることに繋がるのではないかと考えています。

「乳がん検診」というくくりでなくてもいいのかもしれない

土井先生とお話しをする中で、いま私たちは「乳がん検診」を産婦人科でと思っていますが、がん検診という枠組みになると現状ではマンモグラフィしか正式には認められていないので、超音波検査は・・・という穴に陥っていますが、目的は乳がんの可能性のある人を早期に見つけることなので、もしかしたらそれは乳がん検診という名称のものではなくてもいいのではないかという新たな気付きもありました。

地域カンファレンス

病院では一人の患者のためにカンファレンスが開かれることがあります。様々な診療科の先生たちが一人の患者さんの治療について様々な側面から意見を出し合い治療方針などを決めていくことです。大学病院だけではなく地域の各専門医が連携しあうことがスムーズにできるようになれば理想的です。今回で言えば、産後のママの身体のプロの産婦人科と乳腺専門医の連携があるといいなと思っています。

私たちの新たな取り組み

日本産婦人科乳腺医学会にてママの声を届けるために、展示発表を開始します。この学会は産婦人科領域における乳房に関する研究と診療技術の取得向上と検診の普及を計り、人類・社会の福祉に貢献することを目的としています。ここには、産婦人科で乳がん検診ができるようにと様々な研究発表などが行われています。私たちも昨年から参加させていただき、先生たちと意見交換をさせていただいておりますが、私たちの普通と先生たちの普通がずれていることに気がつきました。そこで医療者の目線だけではなく、一般のひと(患者)目線を知ってもらおうというのが目的です。

展示発表の概要

まとめ

お忙しい土井先生にざっくばらんにお話しをいただき、方向性が明確に見えてきました。私たちの目標は一つ!病気の発見の遅れで悲しむ親子をゼロにすること!ママのがん検診応援プロジェクト立案のきっかけは、若くして乳がんで亡くなった親友です。3人の幼い子を残して旅立ってしまった親友の無念。子どもたちのことが心配で、心配で、自分も苦しいだろうに、不安だろうに最後の最後まで子どもたちのことを心配していました。そして、親友の遺灰を見ながら「これがお母さんなんだって」と私に何度も伝えてきた子どもの姿は20年以上たった今でも記憶が薄れることはありません。二度とあのようなことが起きないように、いつか私があちらの世界に行ったときに「あなたの死がきっかけで多くの命が助かることになったんだよ」と親友に報告ができるように、皆様と共に、一歩ずつ進んでいきたいと思います。アンケートのご協力をいただきました皆様、ありがとうございました。発表後、ご改めてご報告をさせていただきます。

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